自毛による増毛



皮弁法(フラップ法)

植毛法


  自毛増毛は大別して、フラップ(皮弁)と植毛術の2つに別れます。
 皮弁は、簡単に言うと長方形の一片をくっつけたまま回転などして移動させる有茎皮弁と完全に切り離して移動させる遊離皮弁があります。
 植毛術は、単一植毛、バンドル植毛、マイクロ植毛、パンチグラフトなどありますが、これらは、一株に含まれる毛数により名称が異なるだけで、基本は一緒です。株は小さければ小さいほど出来上がりは自然ですが、一般的に株分けに際して、細かく分ければ分けるほど、採取した頭皮・毛髪をダメにする量が多くなります。
 レーザーバンドル植毛は、株を移入するための穴作成にレーザーを使用する方法で、単一植毛からマイクロ植毛、パンチグラフトまですべて出来ます。一般的に、広範囲脱毛部の場合、初回・2回目ぐらいは毛量を稼ぐため、また毛の向きを整えるため、当院ではスリットグラフトの形で行うことが多いのが現状です。
 いずれの植毛術でも必要な苗を植える穴を作成しなければなりません。その時に使う器具は、単一植毛・バンドル植毛は注射器状の新型植毛器、マイクロ植毛はメス・ドリル・レーザー、パンチグラフトはドリルを使用します。ここで使用するレーザーは、特殊コンピューターを搭載したコヒレント社製ウルトラパルスレーザーでなければなりません。一般の炭酸ガスレーザーでは、穴の内部(創面)が炭化してしまい、生着率を著しく低下させてしまいます。ドクターの中には植毛専用レーザーと一般の炭酸ガスレーザーを同一視している人もいますのでご注意下さい。
 身体の健康を考えれば、自毛増毛ほど安心できるものはありません。(ただ、カツラは必ずしも悪くない)






単一植毛


 単一植毛は、注射器状の先端が針になっている単一専用の植毛器で穴をあけ植毛するため、基本的に一本ずつの植毛になります。生え際などの目立つ部分や細部を仕上げたり、まゆ毛の植毛などには適しています。ただ、採取できる頭皮・毛髪の量(資源)に限度のある状態では、一本一本の植毛のため、広範囲の増毛には必ずしも適しておらず、何回繰り返しても密度を著しく濃くすることは不可能です。また、大量本数植毛する場合、一本一本の作業のため、かなりの時間を要すると共に莫大な費用もかかります。

バンドル植毛


 バンドル植毛は、一般に注射器状の(先端が針になっている)バンドル専用植毛器で、細い針先から直接毛根が植え付けられるようになっているので、傷はまったく残りません。一度の手術でより多くの密度を求める際にはレーザー・バンドル法も併用し、ポップ・アウト現象(株のもぐらをたたき現象)を軽減させることで実現します。また、髪の毛であれば最も自然な最小単位である毛穴単位(1〜3本)の植毛のため、仕上がりは自然そのものです。生え際などの目立つ部分には最も適しております(もちろん頭頂部等の広範囲にも有効)。当院では現在、最も多く選択される術式です。

マイクロ植毛


  マイクロ植毛は、メスまたはドリルで穴を作り、そこに数本単位の株(一株に2〜3の毛穴単位の毛髪を有する)を植えていきます。この手術法は、単一植毛の良さを残しながら毛量も稼げる進化型です。この際にも植毛専用レーザーの使用は有利に働きます。

パンチグラフト


  パンチグラフトは、ドリルで円い穴をあけます。かなり本数の多い株を植えられますが、円形に大きな株を植えた場合、稲状になりすぎるという嫌いもあります。

レーザーバンドル植毛


  レーザーバンドル植毛は、植毛専用レーザーでスリット(または円い穴)をあけます。穴の大きさ・深さ・毛角度はコンピューターで調節できるので、1株の毛数も1本から10本位まで自由自在です。よって単一植毛からマイクロ植毛、パンチグラフトまで、それぞれに適した穴を適切な間隔、適切な毛角度で作成することが可能で、時間的経済性、出血量の軽減性という意味でとくに優れています。生着率についても他の方法に優るとも劣らない成果が得られます。





 

人工毛による増毛






人工毛植毛


人工毛も理念(自分の組織を扱うことなく増毛)としては悪くないのですが、私たちの体は、マネキンや彫像のような無機体と異なり、異物に対しては排除しようとする機能が働きます。その結果、人工毛を頭皮に植え込むと炎症・感染・免疫反応まで引き起こすことになります。
 植え込んでから1・2年は何も起こらないケースもありますが、時間が経過すると間違いなく何らかの悪影響が生じてきます。現段階では、絶対にやってはならない増毛法と言えるでしょう。
 ちなみに、欧米をはじめとする多くの国々では、人工毛植毛は人体に対する危険性から禁止されています。

かつら


場合によってはかつらが有効なケースもあります。通常の薄毛の場合は、生毛移植術との併用であれば問題ないでしょう。
 ただ、かつらに頼り切ってしまうと様々なデメリットが出てきます。まず、着脱が面倒で手間がかかるのと、必然的にスペアーが要ることや耐久性の問題から数年ごとに作り変える必要があるので、長い目で見ると莫大な費用がかかります。また、蒸れたり、クリップや接着剤などの使用により、残っている頭髪や頭皮にダメージを与え、脱毛が進むおそれがある、など頭皮や頭髪への悪影響も心配されます。





 

育毛剤・養毛剤による増毛

 ほとんどが気休め程度であるとというのが実情です。現時点において、本当にフサフサの髪の毛を生やすものは存在しません。ミノキシジル(商品名 ロゲイン.リアップなど)も発毛効果、脱毛抑制効果は確かにありますが、本来の健常毛(成長期が3〜5年以上)に置き変わることは皆無の状況です。ただ医学的に見れば、発毛を統計学上確認できたことは画期的なことなのです。私も手術以外で、あるいは併用ということであれば、推薦できるものと考えています。